[游记]洛带古镇和龙泉驿

石経寺は、龍泉駅から重慶につながる街道沿いにあり、龍泉山の峠を越えた東側にある。龍泉駅からはバスで30分、3元で着く。石経寺は、四川西部の五大仏教藪林の一つに数えられる名刹である。後漢末(西暦200年頃)に創建され、直後の三国志の時代には名将趙雲子龍が主となり霊音寺と呼ばれた。唐の時代には大雄宝殿が建てられ、現在も典雅な姿が残っており、中には釈迦牟尼座像を安置する。大雄宝殿の前には唐の貞観時代(西暦630年頃)に植えられた銀杏の大木がある。明の1440年頃には楚山法師が来て、多くの堂宇を整え、この寺を盛んにし、天成寺と改名した。楚山法師はまた大儒学者朱子が唱えた排仏思想に反駁を加え、禅の臨済宗を盛んにした。楚山法師はこの寺の祖師として仰がれており、今も祖師堂には座禅をしたままの遺体が腐ることなく祀られている。明末には戦火により多くの堂宇が焼けたが、清の乾隆年間に簡州長官が石に刻んだ金剛経を寄贈したので石経寺と改名され、堂宇も改修再建され現在の形に整えられた。現在は顕密円融の金剛道場となっている。寺内にはチベット仏教の大成者ツォンカパ大師を祀るツォンカパ大師殿もある。2008年3月22日には最奥部に新たに烏木千手観音像を祭る観音堂が落成し、開眼供養が行われた。黒色の烏木で作られた大きな千手十一面観音像の優しい表情は印象的である。石経寺は山の斜面に多くの堂宇が整っており、静かで落ち着いた雰囲気と仏教の盛んな雰囲気とを備え、歴史も古いので、ゆっくりと参詣する価値のあるお寺である。また寺の周囲は桃の段々畑が広がる。門前ではひょうたんを売る露天が多い。

洛帯古鎮と龍泉駅　(話し言葉)

洛帯古鎮(らくたいこちん)と龍泉駅(りゅうせんえき)はどちらも成都の市街地の東約25kmにあります。龍泉山(りゅうせんざん)と呼ばれている南北に延びる丘陵(きゅうりょう)の麓(ふもと)にある美しい町です。四川盆地は直径が約400kmもあるほぼ円形の盆地ですが、盆地の西半分(にしはんぶん)は成都平原、東半分は丘陵地帯で重慶があります。洛帯古鎮と龍泉駅は成都から重慶に行く街道(かいどう)が丘陵にさしかかった所にあり、漢の時代から発展した交通の要衝(ようしょう)です。丘陵を越える街道は五本あります。龍泉駅を通る「官道(かんどう)、つまり主に役人の通る道」、洛帯を通る「商道(しょうどう)、つまり主に商売人(しょうばいにん)の通る道」、桃花故里(とうかこり)、桃の花のふるさとと書きますが、そこを通る「山泉(さんせん)情道(じょうどう)、つまり愛情のみち」、そのほか「柏合(はくごう)文道(ぶんどう)、つまりふみのみち」、「茶店(ちゃてん)香道(こうどう)、つまりかおりのみち」の五本の道がありました。

洛帯古鎮

洛帯古鎮は三峨山(さんがさん)の麓(ふもと)にある美しい古い町です。三国志の蜀の時代に劉備(りゅうび)の皇帝家(こうていけ)の庭園がありました。その後は客家(はっか)、お客の家(おきゃくのいえ)と書きますが、これは各地から移住(いじゅう)してきた移民(いみん)のことです。その客家の町として近代まで大変栄えました。今でも近代の栄えた当時のままの街(まち)の姿が残っています。特に客家の活動拠点(きょてん)となった、それぞれの移民の故郷(こきょう)の会館(かいかん)は大規模で豪華です。広東(かんとん)省の広東会館、湖北(こほく)省の湖広(ここう)会館、江西(こうせい)省の江西会館、長江の西と書く江西ですが、これらがすばらしいものです。言い伝えでは、蜀の時代に劉備(りゅうび)のむすこの劉禅(りゅうぜん)がここに遊びに来て、井戸に腰の玉の帯(たまのおび)を落としたことから、おびをおとすと書いて落帯(らくたい)と呼ばれました。その後、らくの字が洛陽の洛に変わりました。

(1)「洛帯」の由来(ゆらい)

三国志の蜀の時代、つまり西暦220年頃ですが、成都は蜀の都(みやこ)でした。ある日劉備のむすこである劉禅、阿斗(あと)とも言いますが、劉禅がここに遊びに来て、古井戸(ふるいど)を覗き込んで(のぞきこんで)水に映る(うつる)天を眺めて(ながめて)いましたが、うっかり腰に巻いた玉の帯(たまのおび)を落としてしまいました。皇帝の劉備は人に命じて井戸を浚わ(さらわ)せたところ、たちまち大きな雨風(あめかぜ)が巻き起(まきお)こりました。諸葛孔明(しょかつこうめい)は「これは神の仕業(しわざ)であり龍(りゅう)の水脈(すいみゃく)を傷つけたためだ」と言って、玉の帯はそのまま井戸の中に置いたままにしました。その後、日照り(ひでり)の干害(かんがい)のときにだけは、ここの水を汲み(くみ)玉の帯を祭って雨乞い(あまごい)をしました。その井戸が「八角井(はっかくいど)」です。この言い伝えによって、ここを落帯と呼ぶようになり、後に洛帯に変わりました。

(2)
洛帯の地理的な位置
洛帯は成都の市街の東約25kmにあります。南北(なんぼく)に連なる(つらなる)龍泉山と呼ばれる丘陵の中の三峨山の麓にあります。西は成都平原がひろがり、東は丘陵地帯となっている、風光明媚(ふうこうめいび)な所(ところ)です。ここは古代から成都と重慶を結ぶ街道(かいどう)に当たり、長江の下流ともつながる軍事的にも商業的にも重要な交通の要(かなめ)でした。
洛帯や成都などがある四川省は古くから蜀と呼ばれており、温暖で土地は肥沃(ひよく)なところでした。成都の周辺では今から4000年以上も前、つまり中原(ちゅうげん)の夏王朝(かおうちょう)や殷王朝(いんおうちょう)の時代ですが、そのころから三星堆(さんせいたい)や金沙遺跡(きんさいせき)のような、独特の古代文明が栄えていました。特に戦国時代の末期(まっき)、紀元前256年に、秦の国から派遣(はけん)された蜀の地方の太守(たいしゅ)、お殿様(おとのさま)ですね、その太守の李氷(りひょう)が洪水防止と灌漑(かんがい)と水運(すいうん)を兼ね備えた都江堰(とこうえん)の水利施設を建設して以来、成都平原は水害のない非常に豊かな農業地帯となりまして、「天府の国(てんぷのくに)」と呼ばれるようになりました。秦の始皇帝が中国を統一できたのは、秦の背後の蜀を領土にして、豊かで安定した農作物(のうさくもつ)を得られたからだと言われているほどです。